numero160
気が付けば12月。
年末もすぐそこ。
クリスマスも近い。
東京にいた終盤のクリスマスは以前のコラムでも書いた銀座にあった隠れ家イタリアンに、
ディナーに行くのが恒例でした。
と言ってもそこでは俗に言う「クリスマスコース」など無く、
普段通りのアラカルトor普段通りのコースメニューという、その店らしく「攻めた展開」。
それがまた好きでした。
その時期、各レストランでは
「クリスマスの二日間、メニューはクリスマスコースのみ、
一斉スタートで時間はこの時間とこの時間となります」
が当たり前のようになっているけど、当時から自分は好きじゃなかった。
クリスマスの話しじゃないんですが、
イタリアのトラットリア(「レストラン」より気軽に食事出来るところ)では、
普段からディナーにコースメニューの設定はほとんど無いんです。
アラカルトメニューから自分で食べたいものを選んでその日の食事の構成を決めていく。
前菜はコレで、パスタはコレ、メインはコレにしてドルチェはコレ、
みたいな感じで店員とコミュニケーション取りながら決めていく。
*イタリア語出来なくても何とかなります
店員も、
「うん、イイチョイスだね」なんて感じでノッテきてくれるし、
「コレ食べとかなきゃよ」とか、「じゃあまず白からだ。赤ワインもいくよね?」
みたいな感じで、やり取りするわけです。
*イタリア語分からなくても単語とニュアンスですけど
「ちょっとパスタは飛ばして前菜とメインだけにしよかな」
てのもアリだし、
「メインは無しで」
というのもアリ。
「自分で食べたいものを選んで食べる」のが楽しいし、
メニュー見ながらスタッフと相談しながら食事の構成を決めていく。
これがレストランと客の本来の姿だと、個人的には思っているんですよね。
だからアラカルトメニューのある店は好きなんです。
コース料理でも、
予約の時に店とコミュニケーション取りながら食べたい料理をリクエストしたり、
アドバイスもらったりしながら、
コースの構成を決め、いざ食事に行くのて面白いと思いません??
勿論、「そんなのめんどくさい」という人もいるだろうし、
「おまかせを楽しみたい」という人もいるだろうけど。
その銀座にあった店。
実は自分、ランチの時も(コースのみだった)そんな感じでやり取りしていたんです。
予約の際に
「こないだ食べたあの豚、もう一度食べたいです」とクエストしたり、
「連れがトリッパを食べたいそうなので、コースのどこかに組み込んでもらえませんか?」
なんて事もあったっけ。
店も、
「もちろんです。それなら温かい前菜として組み込みましょうか」
と提案してくれたり。
予約の際に逆に店から
「前回は何食べましたっけね~??
前菜は確か、、、
今回のメインどうしましょうか。
季節的には鴨もいいですし、状態の良いラムも入ってきそうですし、、、」
なんていうやり取りもあったり。
楽しかったなー。
「ソレ、絶対に店としたら面倒くさい客だろ?!」
と思うかもしれないけど、
少なくとも自分が行っていた店はそれを愉しんでくれていた。
はず。
上の画像は2007年のクリスマスに食べたセコンド。
Gシェフのこの完璧な火入れ具合!いつ見ても惚れ惚れします。
ソムリエのTさんが合わせてくれたワインも旨かった。
*決して高級レストランとかじゃないですよ。20代のスタイリストが通える価格のお店です。
この日はこちらの仕事が終わってから銀座まで向かっての遅いスタートだったので、
*予約の時に事情を説明したら快く受け入れてくれた
自分達がメインを食べる頃には既に他の客は帰ってしまっていて、貸し切り状態。
そこからはオーナーソムリエのTさんのご好意で、
「帰りはタクシーで同乗して帰りましょうよ。ゆっくりしていってください。一緒に飲みましょう」
と仰っていただき、
旨い赤ワインもご馳走になりながら、GシェフやTさんのワイン談義を聞き、
一緒にテーブルで話し込んで、結局Tさんにタクシー代まで出してもらって(銀座から世田谷まで・・・)
帰宅したのは午前2時頃だったっけ。。。
楽しかったな~。
レストランとの距離感。
近ければいいてもんじゃないし、あまりに遠すぎてもつまんない。
料理やお酒についてコミュニケーションを取れる距離感が保てたら最高。
当家の今年のクリスマスはどうするんだろう。
反抗期最高潮の娘様がいるから外食は無理だし。
Fikaさんもそろそろまた忙しくなりそうだし、、、
これはもう最終兵器、
ナオキカレーしかないのか!??
ふむ。。。