numero101
画像は早朝ライドの際に出会った気嵐(けあらし)
川面から登る湯気のようなものが見える現象ですね。
さて今回は無添加ワインについて書きたいと思います。
「亜硫なんちゃらとかいう添加物の入っていないのはありますか?」
ワインを販売していたら聞かれることがあります。
「気になりますか?」と尋ねると、
「添加物はちょっと、、、入っていたら頭痛がするし、二日酔いになるので」
とお応えになるかたが多いように思います。
ふむふむ。
添加物と言うと何だか悪者のようになっている世の中ですが、
ワインの蒸留過程で添加される「亜硫酸ナトリウム」。
これは決して「入れなくていいもの」ではありません。
ワインは葡萄という生物(なまもの)です。
そして、「生き物」なんですね。
それを収穫、圧搾、醗酵などを経てワインとなり、輸入されるわけですが、
長い過程で果汁が雑菌で腐ったり酸化してしまうのを防ぐ為、
ごく少量を添加していると言われるのが、亜硫酸ナトリウム。
実は古来、葡萄酒造りの時代から行われている事です。
*昔は硫黄を燃やして出来る亜硫酸ナトリウムを使用していたそうです
近年では表記義務が必要な数値が厳格化されたということもあって、
各ワイナリーも添加を極力減らして醸造しているところがほとんどらしいです。
それに皆さんご存知ないかもしれませんが、実はこの亜硫酸ナトリウム。
ワインの製造過程で自然に生み出されるということも分かっています。
なので「まったく亜硫酸ナトリウムの入っていないワイン」というのは存在しないんです。
*表記義務の数値を下回っているワインは「無添加」と書いてOKだそう。
「無添加で亜硫酸ナトリウムが入っていないから二日酔いにならない」
「亜硫酸ナトリウムが入っていないから頭痛にならない」
そんな風に思っているかたもいると思いますが、
添加していないだけで亜硫酸ナトリウムは、存在しています。
だからもちろん科学的根拠もないそうです。
「添加していないから安心」という自己暗示的なものが関係するのかもしれませんね。
それでも価値感は人それぞれ。
「無添加ワイン」が飲みたいかたは国産の安いワイン、
もしくは国産のクラフトワインを選べばいいですよ。
但し、国産の安ワインもクラフトワインも、美味しいかそうでないかは、
飲んだあなた次第・・・
残念ながらそれくらいワインとしての完成度が低いことが多いのが現状なのです。
さて、じゃあ無添加を謳うワインはどうやって腐敗を防いでいるのか。
亜硫酸ナトリウムを添加する代わりに葡萄果汁を加熱処理したりして殺菌しているそうです。
「そうじゃん!加熱して滅菌すればいいじゃん!それが可能なら全部そうすればいい!」
と言われそうですね。
ふむふむ。
ワインは葡萄で決まります。
丹精込めて育てた葡萄を丁寧に収穫し、赤ワインならそのまま、白ワインなら果汁を絞るわけですが、
滅菌する為に葡萄果汁を加熱処理する・・・
果たしてどうなんでしょうね?
何度も書きますけど、ワインは生き物です。
酵母の力で樽の中や瓶の中でゆっくりと熟成しながら美味しいワインになっていくのです。
滅菌処理した葡萄果汁を使って複雑でふくよかな香りや味わいのある美味しいワインが出来るのでしょうか?
自分にはちょっと考えられません。
熟成期間を必要としないフランスのボジョレーヌーボーや、
イタリアのヌオーヴォあたりなら何とかなるかもしれませんけど。
ただ自分からしたらもはやそれらは「ワイン」じゃないような気がしますけどね。
ワインの添加物の話しはこのくらいにして、
次回は今流行りのナチュールワインについて書きたいと思います。