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COLUMN

numero110

 

専門学校を卒業して神戸に就職し、一年。

同期と何のあてもなく上京してルームシェアをしながら東京生活をスタートした、二十歳の秋。

 

自分はすぐに就職先サロンが決まって東京生活をスタートさせたけど、

同居人はなかなか決まらず結局、長野県のスキー場に住み込みリゾートバイトへ行ってしまった。

 

もちろん家賃の半分を向こうから振り込んでもらっていたので、

初めての東京生活は2LDKの広い部屋に、彼が置いて行った猫と暮らすという何とも贅沢な環境だった。

 

友人が長野から帰ってきたのは年が明け、雪が溶けた5月。

これから始まる就職活動に気合いを入れようと、箱根まで日帰り温泉旅に行くことになった。

 

小田急ロマンスカー。

新宿と箱根を結ぶ乗車券と特急券が必要な特別な電車。

小田急沿線に住んでいたからよく見ていたし、

当時、TVで流れていたロマンスカーのCMがとても印象的で、いつか乗ってみたいと思っていた。

CM、関西では流れていなかったのかな??

 

新宿まで出てビールにつまみを買い込み、いざロマンスカーで出発。

大都会の景色からどんどん山や川が現れて田舎の景色に変わっていくのは、何だかとても不思議だった。

しかし、

男二人、ロマンスカーの旅。

今考えると、

怪し過ぎる。。。

 

ほろ酔いで箱根湯本に到着し、日帰り入浴が出来る宿を探し歩き、温泉を堪能。

*酔っ払いだったからどんな温泉だったかはまったく覚えていない。

その後は特にすることもなかったからすぐに帰ることに。

 

帰りは普通に小田急線で帰り、新百合ヶ丘駅で下車して映画を見て帰った。

男二人。

怪し過ぎる、、、

 

 

彼は神戸の店で出会った頃から洋服も音楽も、何もかもまったく趣味が違った。

いわゆるスケーターだった彼はドレッドヘアーにしたり、

瞼(まぶた)や舌にまでピアスを開けたり、背中にはサソリのタトゥーまで入れた。

とにかく「自分とはまったく違うベクトルで生きている男」だった。

 

上京すると決めたのは、そんな彼と久しぶりに呑んでいた時、

酔った勢いで「ノセられた」ようなものだった。

彼がいなかったら絶対に上京はしていないだろうと思う。

 

 

その彼は故郷の滋賀県長浜で自分より一年早く帰郷し、独立して頑張っています。

コロナ禍の前に家族で遊びに来てくれた時、初めて上京のきっかけになった時の話しを彼にしたら、

彼も「僕も和田くんがいなかったら絶対に上京していなかったよ~」と。

それこそ「酔った勢いで和田くんにノセられて上京しちゃった」と思っているらしい。

どちらが本当なのかは分からないけど結果的に上京したのは、

二人にとって人生最大のチャレンジだったことには間違いない。

 

 

趣味も合わない、特に会話も無い。

当時からそんなオトナの兄弟みたいな関係性が良かったのか、

上京してからの同居生活は3年半も続いた。

 

「尊重し合う部分」というのが「干渉しない部分」としてうまく機能していたのだと思う。

ルームシェアの解消は彼の彼女が家に転がり込んできたから。

自分が気を使って身を引いた。

 

今でも特に連絡を取り合う仲でもないけど、

自分にとって数少ない「友人」と呼んでも良さそうな人の、一人です。

「友人」というより「兄弟」みたいな関係か。。。

 

 

ところでロマンスカーのCM。

この地方でも流れていましたか?

聞き覚えありませんか?

 コレ

 

葛谷葉子(くずやようこ)というシンガーソングライターが歌っています。

自分も当時ロマンスカーのCMで知ってとても素敵な声だな~、と。

名前だけは憶えていました。

 

それが何故か最近Amazonミュージックの「あなたへのオススメ」に出てきたんですよね。

ここ10年以上、楽曲提供活動しかしていなかったらしいけど、

ドライブミュージックを軸に新曲も入れてベストアルバムとして出したそうで。

 

これがまたなかなか渋い。

HP

Amazonミュージックから無料でダウンロードができるので是非。

どの曲もしっとりしながらグルービーで、夜のドライブミュージックに最高です。

夜のドライブなんてしないけどさ。

 

 

ふむ。

 

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